はじめの一歩は、自分を認めること ・第4章
「ダメがある。以上」で止まる練習
認めたあとに、また裁判が始まる
第2章で気づき、第3章で受け止める。ここまで来ても、油断すると元の場所に戻ります。
「たしかに落ち込んでる。それは認める。でも、そもそもこうなったのは自分の判断ミスで、あのときちゃんとしていれば」
気づいた5秒後に、頭の中で裁判が再開するんです。検事も裁判官も自分。判決はいつも有罪。
だからこの章では、止まる練習をします。合言葉は、第1章で出したあの一言です。
「ダメがある。以上」
ダメなところを見つけたら、「ある」と確認する。そして「以上」と言って、審理を打ち切る。「だから自分は」の先へ進まない。慣れないうちは、実際に口の中で「以上」とつぶやくのがおすすめです。少し可笑しく感じるくらいでちょうどいいです。
「あのせいで」を「あったこと」に置き換える
止まる練習には、過去との付き合い方も含まれます。
自分を責め続ける人の語りには、共通の型があります。「あの失敗のせいで」「あの人に言われたせいで」「あんな家庭に育ったせいで」。過去が、いまの自分を説明する犯人として、毎回法廷に呼び出される。
僕にも覚えがあります。うつで働けなかった時期のことを、僕は長いあいだ「あのせいで遠回りした」と語っていました。
いまは違う言い方をしています。「うつになった。働けない時期があった」。それだけです。
「あのせいで」と「あったこと」。事実は同じなのに、この二つは全然違います。前者は過去に手綱を渡す語り方で、後者は事実を事実のまま置く語り方です。過去は変えられません。でも、過去をどう語るかは、いまここで選べます。
僕の転換点も、きれいな言葉ではありませんでした。どん底で出てきたのは「こんなんじゃダメだ、でも、これが自分だ」という、矛盾したままの一言です。ダメだと思う気持ちも、これが自分だという事実も、両方そのまま置いた。振り返れば、あれが「以上」で止まれた最初の瞬間だったんだと思います。
ワーク4 語り直しと、2分の約束
このワークは2つセットです。
その1 語り直し
「あのせいで」で思い出してしまう過去の出来事をひとつ選んで、ノートに2通りに書いてください。
1行目は、いつもの語り方のまま(「あのせいで」の形で)。 2行目は、語り直し。あったこと、だけを書きます。
語り直しのほうには、評価も原因も書かないでください。起きたことだけ。書き終えて2つを見比べたとき、体の力の入り方が違うことに気づくと思います。
その2 2分の約束
1日のうち、時間をひとつ決めてください。朝の歯みがきのあと、昼休みの最初、寝る前。いつでも構いません。決めた時間帯は、ノートの最初のページに書いておいてください。
その時間が来たら、2分だけ、今日の失敗や嫌な考えをあえて思い出します。そして、批判しないまま、ただ置いておく。「以上」で止めたまま2分過ごす。それだけです。
1日の中に「自分を裁かない時間」が2分でも確保されていると、それ以外の時間の裁判も、少しずつ短くなっていきます。
この章で感じたこと
ワークはノートに書くのがおすすめですが、いま手元にないときは、ここにどうぞ。
浮かんだことを、そのまま
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