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はじめの一歩は、自分を認めること ・第3章

受け止める 自分への言い方を変える

自分にだけ、辞書が辛口になっていないか

ここまでで、責める考えに「気づく」ところまで来ました。次は、気づいたあとに自分へかける言葉の話です。

少し思い出してみてください。友人が仕事でミスをして落ち込んでいるとき、あなたは何と声をかけますか。

「よく頑張ってたの、知ってるよ」「そういう日もあるよ」。たぶん、そんな言葉が自然に出てくると思います。

では、自分が同じミスをしたときは?

「なんでこんなこともできないんだ」「またやった」「迷惑ばかりかけてる」。

なんか変ですよね。同じ出来事なのに、相手が自分になった瞬間、辞書だけが辛口に切り替わる。この二重基準に気づくことが、この章の入口です。

親友テスト

コンパッションを学び始めたころ、僕はこんな問いかけをもらいました。

「もし親友が、今のあなたの状態だったら、なんて声をかける?」

うつになって、一人で全部抱えている親友がいたとして、「全部お前のせいだろ」なんて言えますか。言えないですよね。きっと「よく頑張ってきたじゃないか。少し休んでいいよ」と伝えると思うんです。

じゃあ、なぜ自分に対してはそれができないんだろう。

僕はこの問いに、長いあいだ答えられませんでした。いま思えば、理由はシンプルで、「自分に厳しくしないと、堕落する」と信じていたからです。自分を律するには自己批判が必要だと思い込んでいた。

でも、実際は逆でした。責めているあいだ、人は動けなくなります。責めるのをやめて、親友にかけるのと同じ言葉を自分に向けられるようになってから、僕は少しずつ楽になったし、少しずつ動けるようになりました。

自分への思いやりは、甘やかしではありません。本当に大切な相手に接するように、自分にも向き合う。ただそれだけのことです。

思いやりの感覚は、もうあなたの中にある

自分に思いやりを向けるのが難しいのは、思いやりの感覚そのものを長く使っていないからです。だから先に、誰かに思いやりを向けたときの感覚を、体で思い出しておきます。

  1. 静かな場所に座って、ゆっくり2〜3回、腹式呼吸をする
  2. 「あのとき、思いやりを持って接したな」と思える記憶をひとつ思い浮かべる。相手は家族でも友人でも、飼っていた猫でもいい
  3. そのときの自分の感情に意識を向ける。「えらかったな」という評価はせず、ただ感じる
  4. その感覚が、体のどこにあるかを観察する。胸のあたりが温かいのか、肩の力が抜けるのか

5分から10分くらいかけて、ゆっくりやってみてください。

あなたの中に、思いやりのはたらきはもうあります。誰かのために使ったことが、必ずあるはずだからです。この章でやるのは、その向き先に自分を加えることだけです。

ワーク3 自分への言い換えメモ

今週、自分を責める言葉が頭に浮かんだら、その場でノートを開いてください。1回1分でできます。

  1. 頭に浮かんだ責める言葉を、そのまま書く
  2. 「これが親友の言葉だったら、なんて言い換える?」と考えて、隣に書く

記入例 責める言葉:また同じミスをした。本当に学習しない。 言い換え:また同じところでつまずいたんだね。次はどこに気をつけたらいいか、一緒に見てみよう。

手紙のように長く書く必要はありません。1行で十分です。今週のうちに3回、同じ形でやってみてください。回数を重ねるほど、言い換えが自動で出てくるようになります。

この章で感じたこと

ワークはノートに書くのがおすすめですが、いま手元にないときは、ここにどうぞ。

浮かんだことを、そのまま

書いた内容は、あなたのこの端末の中にだけ保存されます。どこにも送信されません。