はじめの一歩は、自分を認めること ・つまずきQ&A
よくあるつまずきと、おわりに
3週間のあいだに出てきやすい疑問を、先にまとめておきます。つまずいたときに開いてください。
Q1 自分に優しくしたら、甘えてダメになりませんか
一番多い質問です。僕も昔、同じことを思っていました。
優しさと甘えの区別は、実ははっきりしています。なりたい姿に向かって頑張っている人が、自分の限界を察して休む。これは優しさです。一方で、なりたい姿がどうでもよくなって、目の前の楽なほうに流れる。これが甘えです。
痩せたいと本気で思っている人にお菓子を差し出すのは、優しさではないですよね。でも、走り込みを続けてきた人に「今日は休もう」と言うのは優しさです。自分に対しても同じ基準で見てください。この教材を3週間やろうとしている時点で、あなたは頑張る前提を降りていません。その人が自分にかける優しい言葉は、甘やかしにはなりません。
Q2 どうしてもポジティブに考えられません
ポジティブに考える必要は、そもそもない。これが答えです。
僕はうつのとき、「前向きに考えよう」という言葉が一切響きませんでした。むしろ、前向きになれない自分を確認するたびに沈みました。だからこの教材には、「前向きに捉え直しましょう」というワークをひとつも入れていません。
やってきたのは、気づくことと、事実のまま置くことだけです。「落ち込んでいる」に気づく。「あったこと」として書く。それで十分です。ポジティブは、目指さなくても、責める手が止まったあとに勝手に戻ってくる余力のようなものだと思ってください。
Q3 ワークをやっても、何も感じません
それでいいんです。
何も感じないというのは、失敗の報告に見えて、立派な観察結果です。「書き換えても何も変わらなかった」と気づけたなら、あなたはすでに自分を観察できています。押し殺してきた期間が長いほど、感覚が戻るには時間がかかります。何年もかけて作られた癖が、3日で反応しないのはむしろ自然です。
回数を重ねてください。感じようと力むより、淡々と続けるほうが早い。
Q4 一度できたのに、また元に戻ってしまいました
戻ります。僕もいまだに戻ります。
心の結び目は、一度ほどけば終わり、とはいきません。生きていればまた結ばれるし、その都度ほどく。その繰り返しです。完璧に克服した状態なんて、たぶん誰にもありません。
見てほしいのは、戻ってから気づくまでの時間です。以前は1週間責め続けていたのが、3日で気づけた。それは後退に見えて、はっきりした前進です。感情には波があります。波はなくなりません。大事なのは、沈んだときに立ち戻る場所があることです。この教材が、その場所になれば十分です。
Q5 3週間が終わったら、ワークはやめていいですか
やめて大丈夫。全部をずっと続ける設計にはしていません。
ただ、ふたつだけ残すことをおすすめします。「2分の約束」と、手応えの1行記録です。理由は単純で、この2つは合計3分で終わるからです。歯みがきと同じ扱いで生活に置いておけます。
観察メモや言い換えメモは、道具箱にしまっておいて、しんどい時期が来たらまた出してください。使い方を一度覚えた道具は、二度目からは早く使えます。
おわりに 根っこは、引き抜かなくていい
3週間、お疲れさまでした。
最後に、僕がクライアントさんによく話す、木の話をさせてください。
人を1本の木だとすると、過去の経験は根っこです。つらかった経験も、恥ずかしい失敗も、全部根っことして土の中にある。自分を責め続けるというのは、この根っこを引き抜こうとする営みに似ています。なかったことにしたい。取り除きたい。でも、根っこを抜いたら木は立てません。
根っこは、引き抜かなくていいんです。そこから、新しい幹を作り直して、自分の葉を茂らせていけばいい。あなたの過去は、あなたを縛る犯人をやめて、これからのあなたに水を送る側に回れます。
この教材でやってきたことは、すべてその作り直しの手つきです。気づいて、受け止めて、「以上」で止まって、手応えを集める。地味な繰り返しですが、この繰り返しの先でしか、自分を認める力は育ちません。そして、一度育ったこの力は、誰にも奪えません。
ひとつだけ、正直に伝えておきます。
この練習は、一人だと止まる日があります。僕自身、独学の時期は何度も元の場所に戻りました。分かっていても、渦中にいるときは見えなくなるものだからです。
もし、一人で続けるのがしんどくなったら。あるいは、自分の根っこともう少し深いところで向き合いたくなったら。そのときは、一緒にやりましょう。僕は普段、コンパッションをベースにしたコーチングで、その伴走をしています。体験セッションの入口は、このサイトのコーチングのページに置いてあります。来ても来なくても、この教材の価値は変わりません。あなたのペースで。
答えは、もう、持ってる。
3週間、本当にお疲れさまでした。書き込んだノートは、世界に1冊しかない、あなたの記録です。ときどき開いて、現在地チェックだけでもやってみてください。
ちひろ
この章で感じたこと
ワークはノートに書くのがおすすめですが、いま手元にないときは、ここにどうぞ。
浮かんだことを、そのまま
書いた内容は、あなたのこの端末の中にだけ保存されます。どこにも送信されません。
3週間やってみて感じたことがあれば、SNSのDMで聞かせてください。
いただいた声が、この教材を育てる材料になります。